【開催レポート】火を扱える人になる〜野外調理&消化器ワークショップ〜
2025年12月13日、竹林のスコレーにて、 親子向けワークショップ「火を扱える人になる 〜野外調理&消火器ワークショップ〜」 を開催しました。

普段の生活では、火はスイッチひとつで簡単に使える存在です。
しかし、災害時など電気やガスが使えなくなった状況では、 自分たちの手で火を起こし、安全に扱う力が求められます。
今回のワークショップでは、火を起こす体験、火を安全に消す体験、そして火を使って食事をする体験を通して、親子で実際に手を動かしながら学ぶ時間をつくりました。

講師には、防災コンサルタントで元消防士の堀脇泰治さんをお迎えし、火の扱い方や、防災に関する大切なポイントを分かりやすく教えていただきました。
君は火を使えるか?ドキドキの火起こし体験



火起こし体験では、参加者が集まり、協力しながら火を起こしました。
ファイヤースターターやマッチを使い、新聞紙や火口を組み合わせて火を起こしていきます。
火の様子を見ながら、道具を使ったり、薪を足したりと、その場にいる人たちで声を掛け合いながら作業が進んでいきました。
また、竹を切って「火吹き竹」を作り、火に向かって息を吹きかけて火力を上げる体験も行いました。
息を吹きかけることで炎の様子が変わるのを確認しながら、火が安定するまで調整を続けました。
参加者全員が火に関わり、屋外で火を起こす体験を共有する時間となりました。
危ない!火事を未然に防ぐ消火器体験



消火器体験では、参加した子ども全員が、実際に消火器を手に取り、操作を体験しました。
はじめに、堀脇さんから消火器を使う際の基本的な手順について説明がありました。
消火器の操作は、
・ピンを抜く
・ノズルを持つ
・レバーを握って噴射する
という 3つのステップ で行います。
実際の体験では、この流れを意識しながら、一人ひとりが順番に消火器を使いました。
説明の中で堀脇さんは、 「家一軒はおよそ20分で燃え尽きてしまうこともあり、火災では逃げ遅れると命を落としてしまう危険がある」という話もされました。
火災の進行の早さと、火の怖さを実感する内容でした。
実際に火に向かって噴射すると、炎は一時的に消えたように見えます。

しかし、よく観察すると、完全に鎮火していない火が再び燃え出す様子も確認できました。
この体験を通して、火は簡単に消えたように見えても油断できないこと、消火器を使ったあとは、火の状態をしっかり確認する必要があることを、実感をもって学ぶ時間となりました。
また、堀脇さんから家庭で火事を未然に防ぐのは消火器はおすすめできないとのこと。
その心は、普段使うことがないので、パニックになったら使えない、また場所をとってしまうと。
家庭でおすすめなのは、消火スプレーだそうです。
こういったものですね。

羽釜ご飯とジビエBBQの野外ランチ



火起こしや消火器体験を通して、火を扱うことの難しさや怖さを実感したあと、最後は火を使った野外ランチの時間となりました。
火を囲みながら用意された温かい食事は、体験の緊張感をほぐし、ほっと一息つける時間でもありました。
火があることで、食材を温め、調理し、寒い中でも安心して食事ができることを改めて感じる場面となりました。
普段の生活では当たり前のように使っている火ですが、実際に自分たちで火を起こし、扱ったあとだからこそ、火が私たちの暮らしをどれだけ支えているかを、実感できたように感じられました。
火は危険な側面もありますが、正しく扱うことで、生活を支える大切な存在になります。野外ランチは、そんな火の役割をあらためて感じる時間となりました。
まとめ
今回のワークショップでは、火を起こし、火を消し、火を使うという一連の体験を通して、火と向き合う時間を過ごしました。
火は、扱い方を間違えると大きな危険につながります。
一方で、正しく扱えば、私たちの生活を支え、寒さをしのぎ、食事をつくり、人が集まるきっかけにもなります。
実際に火を起こし、消火器を使い、その後に火を使って食事を囲んだからこそ、火の怖さと同時に、火が暮らしの中でどれほど大切な存在かを実感できたのではないでしょうか。
こうした体験は、知識として知るだけでは得られない、実感を伴った学びにつながります。
いざという時に役立つ力は、日常の中で「やってみる」経験から育っていきます。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

次回イベントのご案内

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開催日:2026年1月24日(土)
時 間:10:00〜11:30
