作って・食べて・学ぶ ー 竹でつくる僕たちの流しそうめん台づくりワークショップ
8月の暑い日差しの中、「流しそうめん台作りワークショップ」を開催しました。今回は、10組の親子(大人10名・子ども14名)が参加。

「自分たちの手で竹を使って器を作り、流しそうめん台を完成させる」ことを目標に、自然の素材に触れ、協力しながら、自分の手を動かして何かを生み出す時間を、親子で一緒に楽しみました。
このワークショップを通して育まれるのは、「技術」だけではありません。
「工夫する力」「助け合う心」「自然との対話」、そして「自分にもできた!」という成功体験。
その一つひとつが、子どもたちの心と身体にしっかりと刻まれる時間となりました。
この日のために、朝早くから集まってくれたスタッフ・サポーターの皆さん。
竹の下準備、道具の確認、受付や調理など、すべての準備に余念がありませんでした。

この日、器作りに使った竹は「真竹」(写真左)。「孟宗竹」(写真右)は厚みがあり切りにくいため、厚みの薄い「真竹」を講師の井出さんが用意してくれました!
いよいよワークショップ開始!
参加者が集まり、さっそく活動スタート!
2歳のお子さんから中学生まで、幅広い年代の親子連れが参加しました。

工程1:竹で器と箸を作る
最初のチャレンジは、竹を使って器と箸を作ること。
講師の井出徹さん(竹のやしろ代表)が、安全についての説明と、のこぎりの使い方を丁寧に教えてくれました。

子どもたちがのこぎりを握り、竹に刃をあてると、「ギコギコ」と音が響きます。
最初はおっかなびっくりだった手元も、次第にコツをつかみ、だんだんと力強くなっていきました。



箸は、ナイフで細く整え、表面を滑らかに削って仕上げます。
子どもたちは、それぞれに丁寧に、自分だけの「お箸」と「器」を完成させていきました。

角を落として手に優しいフォルムに仕上げると、世界に一つだけのマイ食器の完成です!
「これ、家に持って帰ってもいいの?」
完成した食器を手に、満足げな表情を見せる子どもたち。
この器が、あとで流れてくるそうめんを受け止めるのです。

工程2:そうめん台の竹を割る
次は、流しそうめんのレーンとなる竹を割る作業。
井出さんが竹に工具をあて、長い竹をパカンと割ると、「おぉ〜!」という歓声が上がります。
硬い竹でも、コツをつかめばスムーズに割れることを、みんな体感していました。

工程3:そうめん台の竹のふしとり
竹の節をそのままにしておくと、水が流れません。
そこで、節の部分をハンマーなどでざっくり削っていきます。

ここで大切なのは「大胆さ」と「丁寧さ」のバランス。
削りすぎると竹が割れてしまうし、削り足りないと水が流れません。
みんなの集中力が一気に高まり、無言で作業に没頭する子も。

工程4:流しそうめん台の支柱作成
参加者みんなで、流しそうめん台を支える支柱を作ります。
3本の竹を組み合わせ、縄でしっかりと固定。

親子で力を合わせながら、ひとつひとつ完成させていきました。

工程5:流しそうめん台レーン組み立て

作ったレーンをバランスよく組み立てます。
まるで自然の中で秘密基地をつくっているような気分!
角度を調整しないと、そうめんはうまく流れません。
「もうちょっと高くしようか」
「こっちはゆるやかにしてみよう」
子どもも大人も一緒になって、納得いくまで調整を重ねていました。

お昼ごはん&流しそうめん開始
ようやく完成した流しそうめん台に水が流れ、そうめんがするする〜と滑り落ちていきます。

「きた!つかまえて!」
「トマトが取れない〜!」
そうめん、赤いミニトマト、うずらの卵、そしてデザートのぶどうも!
(ぶどうは果物農家さんからのプレゼント)
彩り豊かな具材が次々と流れていく様子は、まさに“夏の風物詩”。

子どもたちの歓声が響き渡り、大人たちも思わず笑顔に。


参加者の感想
- 「トマトやぶどうを取るのがむずかしかったけど、何回も挑戦してやっと取れた!」
- 「竹って外と中で硬さが違うんだって知った。」
- 「自分で食器を作って、それで食べたのが一番うれしかった!」
- 「竹で器を作るのは難しかったけど楽しかった!そうめん美味しかった!」
自然にふれ、身体を動かし、仲間と協力して成し遂げる——
まさに五感で学ぶ一日でした。
主催者コメント:片岡徹也さん

「災害の時に“あるものでなんとかする”というのは、とても大切な力です。 今日の経験を今後のためにも、ぜひ覚えておいてほしいです」
講師コメント:井出徹さん

「モノを作ることを通して、発想力や想像力を育てていけたらいいですね。
買えば何でも手に入る時代だけど、自分で作る力は、人生のどこかで必ず役に立ちます。
ぜひこの経験を活かして、何かにチャレンジしてみてください」
おわりに

自然のものを使って「つくり」「食べ」「楽しむ」
生きるために必要な知恵を、体験しながら学べる親子防災リーダープロジェクトのワークショップ! 次は、「海水からの塩づくりワークショップ」も開催しました。
9月には、親子でチャレンジできる小屋づくり講座、10月は竹の遊具づくりなどもあります。


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